新4年生へ

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一緒に”発見“の旅に出ませんか


季節外れですが私の好きな歌に「赤鼻のトナカイ」があります。
その内容は

サンタの国のトナカイの群れに一匹の変わったトナカイがいました。
このトナカイはドジでグズな上に鼻が赤くてとっても大きいのでみんなから笑われていました。
ある日、今年のそりを引くメンバーのオーディションがありました。
サンタのそりを引くこと、特にその先頭(トップ)に指名されることはこの上なく名誉なことなのです。
トナカイたちがドキドキしながらその結果を待つ中、サンタは言いました。
「今年のトップは赤鼻にお願いしたい」
みんなが騒然とするなか、日頃リーダー格のトナカイが聞きました
「なぜ、赤鼻なんですか。あいつは足が遅いですよ。」
「いいんじゃ。トップが速いと皆がついていけなくなるしの。」
「でも、あいつまったくの方向オンチですよ。」
「よいよい。進む方向はわしが手綱で指示するから。」
「でも、よりによってなぜ赤鼻なんですか!」
「でっかくて赤い鼻は暗い夜道にどこに向かっているのか分かりやすいんじゃ。(笑)」

サンタさんはいつもいじめられている赤鼻トナカイに情けをかけてトップに指名したのではありません。
彼がトップとして大切な能力を持っていることを“発見”したのです。

話はかわって、「ポバール」という素材があります。
聞き慣れないようですが、洗濯ノリとか、小さい頃よく作ったスライムの原料です。
そのメーカーのひとつに、最近、CMで「ミラバケッソ」と鳴いている、クラレという会社があります。
週間東洋経済3月17日号、74頁にはこのポバールについて以下のように書いています。

クラレは国産初の合成繊維「ビニロン」の材料として、資本金の5倍以上を注ぎ込み社運をかけてポバールの工業化を行った。
しかしビニロンは発色が悪い、洗濯すると縮みやすいなど“衣料として劣等生”。
ナイロン、アクリルやポリエステルが3大合成繊維として脚光を浴びるのと対照的に80年代にはポバールの生産拠点、倉敷工場でも撤退が噂された。
でも2000年ごろに液晶テレビなどの偏光板に最適な素材であることを“発見”。
劣等生街道を歩んだポバールの競合は少なく、クラレは瞬く間にシェアトップ。
「化学素材の分野では10年以上我慢することは普通」だそうだが、ポバールは50年ずっと耐えて続けて大きく花開き、現在クラレの営業利益の9割を稼いでいる。

多くの人の見方ではダメでも、発想の転換をして、別の角度から非常に価値があることを”発見“することは、とてもすごいことです。
さらに、生まれつきでどうすることもできない赤鼻トナカイの鼻のように、自分の欠点や失敗(ピンチ)(と思われていたこと)を「災い転じて福と成す」ことが出来れば大逆転することが出来ます。

昔、身近な石などを金(ゴールド:Au)に変える錬金術が盛んに行われました。これらを金に変えることは出来ませんが、“金以上に価値のあるモノ”に変えることは出来ます。そのような大変だけどドキドキ、ワクワクする”発見“の旅に私たちと一緒に出発しませんか?