【1. 逆電気透析による濃度差発電システムの開発】

 逆電気透析(RED)は陽と陰のイオン交換膜をそれぞれ交互に配列した左図のような装置を用いて、その積層されたイオン交換膜間に異なる塩分濃度の溶液を供給し、電力を得る手法である。塩分濃度差の異なる溶液として海水と河川水を用いることができるため、再生可能エネルギーを利用した発電方法の一つとして注目されている。本研究室ではRED用のイオン交換膜の開発やREDシステムの性能評価を通じて、REDの実用化に向けた研究を行っています。




【2. 逆電気透析に適した伝導性スペーサーの開発】

 逆電気透析は積層されたイオン交換膜間に存在するスペーサーによって溶液の流路区画が保持されている。従来の非伝導性スペーサーを用いた場合、膜と溶液の接触面積が減少してしまい、REDシステムの発電性能が低下してしまう。この問題を解決すべく、我々の研究室ではスペーサーに荷電基を付与し、REDに適した導伝性スペーサーの開発を行っている。導電性スペーサーを用いることによって溶液抵抗を抑えることができるため、REDの発電出力を向上できると期待される。




【3. 逆電気透析を志向したプロファイル膜の開発】

 逆電気透析用のプロファイル膜の開発を行っている。プロファイル膜は従来のフラットなイオン交換膜とは異なり、下図に示すように膜の片側表面に凹凸構造を有するイオン交換膜である。この凹凸構造により積層された膜間の距離を限りなく狭めつつ、流路を確保することが可能となるため、膜を積層化して用いるRED発電システムにおいて、積層膜内の溶液流路部位の抵抗を減少させることが可能となり、REDの発電性能の向上が期待できる。